リクルートという奇跡 (文春文庫)

  • 価格:¥540
  • 文藝春秋/藤原 和博
  • おすすめ度:4.5(8)

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リクルートという奇跡 (文春文庫)の口コミ情報

おすすめ度:4リクルートは、経営陣が経営している会社ではない, 2007/09/26

 本書は、25年間の会社生活で手掛けた仕事や人物の描写を通じ、リクルートのエネルギーの秘密を明らかにする一書です。

 ところどころ失敗談も書かれていますが、基本的に藤原氏はデキル社員です。
 その自身の華々しい活躍を、自慢もしなければ、謙遜もしない藤原氏の文章は痛快です。たとえば、入社して7年目のエピソード。大阪での課長職の他に東京でも課長職を兼務することになり、大阪と東京をいったりきたりすることになりました。しかし、役員や部長職の兼務ならともかく、現場を抱える課長職の兼務には無理があります。
 江副氏にこの人事の意図を尋ねると、東京の上司と大阪の上司が、どちらも藤原氏が必要だと主張するので、両方の顔を立てるために兼務にした、という答です。
  「神山さんも多田君も大事な人だから、両方顔を立てておかないと
   いけないんだよね」
という社長の言葉に、藤原氏は「迷惑な話である」と感想を書いています。

 社長に向かって「迷惑な話である」と言い放つことができる風通しの良さにも感心しますが、このひとことで、両方から奪いあいになった自分がいかに有能だったか、という自慢話が霞んでいます。
 この人の「自分はデキル」は、もうあっけらかんとしていて、鼻に付く暇もありません。

 そんな藤原氏とリクルートを襲ったのが、1988年のリクルート事件と、1992年のダイエーによる買収です。特にダイエーに買収された時は、社内に緊張が走りました。このとき、藤原氏を含む20名の部次長たちが立ち上がります。

 リクルートマンシップが失われるなら、第二リクルートを創業することも辞さない! 藤原氏たちが、ダイエーに叩きつけた「宣言文」は、ダイエーは事業に口を出すな!という「独立宣言」でした。

 リクルートに息づく、誰もやらない事業をやっていることの誇りが納得できる一書です。

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